あるきデス

50代からの毎日の歩き方from鎌倉。Rock your life! ジタバタしたっていいじゃないか!

昭和、平成、樹木希林。を歩く。新元号は「希林」に決定!?

ユルネバT-800です。

 

 

前回の記事「鎌倉のあの「人」に会いたい!大船観音さまの巻。 - あるきデス」の最後にちょこっと触れた大船観音さまと樹木希林さんのニアミスについてです。

 

樹木希林というそびえ立つ独立峰

海街diary」でも大船の大叔母役がもうピッタシでした。綾瀬はるかさん演じる主人公の三姉妹の長女、香田幸に説教するセリフの言い回しなどこの天才俳優の研ぎ澄まされた技を見る(=楽しむ)思いです。「ねえさん、死んでてよかったわ~ 」は何度聞いても(観ても)笑ってしまいます。

 

キャラクター設定としてはこの大船の大叔母ってのが希林さんのはまり役だと思いますけど、希林さんのベスト演技が観られる映画は、やはり同じく是枝裕和監督の「海よりもまだ深く」。阿部寛さんのとの親子役はもう無形重要文化財

 

特に私が好きなシーンは、カルピスを水で薄めて製氷機で自家製アイスを作るシーン。こんな昭和な日常を平成の現在にリアルかつ新鮮に表現できる演技人は・・・希林さんだけでしょう。

 

アイドルとしての樹木希林

もちろん「あん」とか「日日是好日」とかその他、希林さんの素晴らしい演技を堪能できる映画には他にもいっぱいあるんですけど、それはまたの機会として、本日の大船観音さまニアミス映画は・・・ヒロミゴー(郷ひろみ)と共演した1977年作「ワニと鸚鵡(おうむ)とおっとせい」です。監督は山根成之(ヒデキ主演の「おれの行く道」などアイドル映画の職人です)。

 

ヒロミゴーと希林さんのコンビは同年のTBSのホームコメディ「ムー」でブレイクしてましたので、この映画もその流れで制作されたもののように思います(原案も「ムー」の演出・プロデューサーの久世 光彦ですから)。

 

で、この映画のどこに大船観音さまが出てくるかというと、郷が演じるゴー(役名も同じ)が想いを寄せる秋吉久美子演じるマドンナの七子が幼いころ別れた母親に会いに鎌倉を訪れる途中のシーンで。

 

大船観音さまと鎌倉へ向かう横須賀線が映し出され「いざ鎌倉」へって感じなのです。まあ、この映画は松竹制作で当時は今はなき大船撮影所もあったので自然なことなのでしょう。

 

この時から大船観音さまは「鎌倉の玄関」という共通認識があったのでしょうかねえ。とまあ、このゴーとサーカス団をクビになった腐れ縁のパートナーがメリー。希林さん演じるおちゃめなお嬢なのです。

 

無慈悲な人?樹木希林

希林さんの芸はすでにこの時には確立されてるのがよく分かります。エキセントリックな存在(私も当時はそんな風に見ておりました)と捉えられていたこの時から巨匠の片りんを・・・凄いなあ。

 

さてさて、「何が希林さんと大船観音さまのニアミスだよ!」とクレームを頂きそうですけど、仰る通り。直接的に観音さまと希林さんが「共演」したわけではありません。

 

ただ、この映画でも証明されているのは大船観音さまは鎌倉のシンボルのひとつであるということ。大船は鎌倉なんです!!(クドイ。)

 

しかし今思えば大船観音さまを背に希林さんが大船の大叔母となって現れる・・・なんてシーンみたかったな。

 

ただ実際の希林さんは天才肌だったので共演者には「容赦はしない」方だったとの印象があります。相方がセリフを言い終わるのをただ待って「覚えた」セリフを喋るだけの俳優に対しては大船観音さまのような慈悲はお見せにならなかったような・・・。

 

お顔の表情は大船観音さまのようでも、鋭い人間洞察の眼をお持ちだったのでしょうね、樹木希林さんという方は。でも、そんなところも含め大好きなんですよね。

 

さてさて昭和、平成を歩んだ唯一無二の個性と存在感の樹木希林さん。新元号になるとも永遠に映画ファンを魅了し続けることでしょう。まるで大船観音さまのように。

 

では、次回もYou'll never walk alone!