新サバイバル・マニュアル 鎌倉に住んで考える「いざ」への備え その①
「あるきデス」ってタイトルの割には自転車の移動が大半の筆者。そう、自転車が大好きなんですけど(ちなみに以前も書いた通り車の所有経験なし)、それに加えて好きなのが映画・・・というのは過去記事を読んでいただければ分かると思います。
まあ、映画のことは追々書くとしてもうひとつ好きなのがコーヒー・・・これも今まで記事にしましたね。今回の「好き」はサバイバルについて考えることなんです。
通常サバイバルっていうのは生死を分かつ過酷なアウトドア状況の中で生き残る・・・って意味合いではないかとおもうのですけど、私はもっと緩やかな意味合いでこれを捉えています。違う言い方で言えばもっとリアリティ即した意味でとお考えいただいても差し支えありません。
これはどういう意味かというと巷で売られている「サバイバル本」の内容を引用すると分かりやすいかと勝手に思ってます。
例えば、サバイバルについて書かれている書籍は大抵の書店ではアウトドアや登山のコーナーに置かれています。で内容としては「火を起こす方法」とか「水や食料を確保する方法」なんかが書かれています。
生死を分かつアウトドアの状況・・・無人島に流された、ジャングルや砂漠で迷った、まあそれほどの状況でなくともハイキングで迷って一夜を山中で過ごさなければならない・・・なんて状況なら役立ちそうです。
でも、あなたが一生の間で無人島やジャングルや砂漠で迷う確率はそう高くないように思います。追々また書きますけど、低山ハイキングで迷ってしまう確率は前者よりぐっと高くなるかもしれません。ただしそれは迷うべくして迷った、つまり迷わないようにすべく準備が足りなかったことをほとんどの場合意味します。
そう、ここで大事なのは過酷な状況で生き抜くためのスキルの習得のより先に過酷な状況を常に回避しようとする準備なのです。
なので私がいう「サバイバル」とは:
① まずは過酷な状況に陥ることを避ける
② より確立の高い過酷な状況に常日頃から準備する
③ もし過酷な状況になっても出来るだけの快適さを維持する
ということになります。
なお上記の概念を拡大すると「リストラで仕事を失う」なんていうのも「過酷な状況におけるサバイバル」の範疇になりますけど、ここではまず災害や事故や犯罪が引き起こす過酷な状況からサバイバルすることに絞りますね。
さて先ほどに挙げたサバイバル本をパラパラとめくると大体の自然災害が触れられています。例えば:
〇津波
〇地震
〇雪崩
〇暴風雪・雷雪
〇竜巻
〇ハリケーン・台風
〇大雨
などです。
上記は主にクリント エマーソン氏の著作「アメリカ海軍SEALのサバイバル・マニュアル 災害・アウトドア編: 日常のトラブルから絶体絶命のピンチまで」を参考に列挙しました。氏の著作からは海軍の特殊部隊仕込みのノウハウが学べて楽しいのですけど「現実的に使う場面あるかな~?」って感じです。まあ、私自身としてはノウハウ本というのは全面的に役立つなんて期待せずに幾つかの学びや発見があれば儲けものと考えあとはお財布と相談して購入するかどうかお考えくださいと言わせて頂きます。この本には「へえ~そうなんだ。」という情報が幾つかありますので読んで損はありません。
さて日本に住む、海にも山にも囲まれている鎌倉という土地に住む私の立場からより現実味のある(遭遇する確率の高い)と思われる(すべてを経験したわけではないので推測も入らざる得ない)自然災害について以下に軽く触れます。
① 猛暑
これが自然災害か?と思われるかもしれませんけど近年の異常なまでの暑さと熱中症の発生件数の増加を考えるともうこれは災害と言えます。本当の恐ろしさはなんらかの事故や地震などと重なって停電したときに我々を守ってくれている空調設備が使えなくなった時の猛暑の(特に都市部での)暴力性にあります。例えば先日は発生した京成電鉄での停電事故。エアコンの効かなくなった車内に閉じ込められる、ということは砂漠で迷ったときにどうすべきか?ということ以上に私たちが常日頃から想定しておかなければならないことでしょう。
② 大雨
これはかっては台風とセットになっていたかもしれませんけど、いまやゲリラ豪雨という突発かつ局所的なイメージを越えて「どこでも何度でも起こりえるかって経験したことのないような大雨」と定義できるように思います。大雨の怖さはそれが原因で誘発される土砂崩れ、鉄砲水、河川氾濫、山林崩落、土石流など多岐にわたり、自身が現在いる場所の雨量が多くなくても、また既に雨が止んでいても常に警戒と準備が必要な災害です。
③ 津波
この恐るべき災害の特徴は実に多種多様な発生また襲来パターンがあるということです。必ずしも地震がなくても発生することも覚えておくべきことでありますけど、「このような前兆があったら」とか「津波はこんなパターンで襲ってくる」とかの前例や知識が全く通用しないほど時と場所によって自然現象としての様相が違うことがあります。この辺りの津波の特徴を見事に記録した吉村昭氏の「三陸海岸大津波」をぜひご一読ください。
④ 地震
「ある一定期間内に発生する回数」という観点から言えば地震は体に感じないレベルのものを含めると私たちが季節を問わずに日常的に経験している自然現象であるかもしれません。1番目に挙げた「猛暑」と重なって首都直下地震が来年の東京オリンピック開催時期に発生したら・・・こんな悪夢なような状況も決して現実離れした妄想とは言えないことを前提に準備が必要です。また地震は建物の崩壊や誘発された火災が怖いとの印象があります。それはその通りですけど、人口密集地の場合にはそれ以上に悲惨な状況が起こりえることを知っておくべきかと思います。これについても吉村昭氏の「関東大震災」が生々しい克明な現実を伝えてくれていますのでご一読されることを強くお勧めします。
⑤ 火山の噴火
日本全土におよぶカタストロフィとしては想像さえもしたくない自然現象ではありますけど以下の気象庁のデータによると日本全国の活火山の数は現在111となっています。常に何処かの火山から噴煙があがったり小規模な噴火があったりと、これまた地震と同じく継続的な自然現象です。噴火による災害の特徴はその噴火規模による被害地域の広大さと火山灰による長期にわたる被害の継続が挙げられます。
⑥ 落雷
確率的に言えばそうそう被害に遭いそうにないイメージのある雷ですけど、割と自分の近くに落ちた経験をお持ちではないでしょうか?まだ完全にメカニズムは解明されていなようですけど屋外、とくにスポーツ活動やアウトドア活動中には最も警戒すべき自然災害であると思います。とにかくこまめに気象情報を確認して早めに屋内への退避行動をとるべきです。落雷は待ってくれません。
以上のような自然災害を前提とした「サバイバル」について2回目以降書きたいと思います。
では、次回もYou'll never walk alone!