あるきデス

50代からの毎日の歩き方from鎌倉。Rock your life! ジタバタしたっていいじゃないか!

50代の早期退職を歩くために必要なこと(後編)

こんにちはユルネバT-800です。

 

40代にして突然クビ

さて前編で予告した私の40代での「早期退職」の経験についてです。というか正確にいうと回顧じゃなく解雇ですね。

 

それは今から遡ること10年以上前のこと。夏休みが明けていつものように会社に行くと恒例の朝礼で社長がいきなり「8月末で私は辞めることになりました、ここにいる本社の皆さんも9月末で全員退社していただきます」・・・エッ~ぇえええ

えええええええ。

 

まあ、業績の悪さは皆わかっていたのでこうなることは薄々予感がしていたのですけど、それにしても突然です。本社といっても数十人の小企業。全員の様子はお互い手に取るように分かります。外資系企業でもないので正直このような事態には皆慣れているわけではありません。

 

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ある日突然会社という名の列車から降りろと言われる。いつまでも乗客気分ではいられないことを自覚すべし。

 

退職プログラムなる死刑判決

このような事態になれば人事部などからいわゆる「退職プログラム」の案内なるものがきます。つまりどのような条件でいつまでに退職してもらうかという案内です。私の場合は人事部も含めその対象(つまり会社組織全体を無くす)だったので、出資していた法人から派遣されていた方々からの案内でした。

 

この「退職プログラム」なるもの色々な会社のものを集めて比較出来たら面白いだろうなあ~と思います(そんなことは不可能でしょうけど)。こんなもの人生で何回ももらえることはないので(ところがその後私は再び「プログラム」をもらうはめになるのです。それはまたあらためて。)その内容が適当なのかどうなのか?なんて初心者(未体験者だろ)には分かりませんよね。

 

実はこの時の「退職プログラム」を保管していたのでその内容をちょっとだけ見てみましょう。

 

(1)対象者:本社全社員

(2)退職日:XXXX年9月末

(3)特別一時金:基本給の2か月分を退職月の翌月15日に支給

(4)雇用保険:退職時に再就職先が見つかっていない場合は会社都合の退職とする

以下省略

 

 

う~ん。一時金が2か月分って少ない・・・。それにつけても9月末の退職だとあと1か月半・・・次の就職先決まるわけないじゃん・・・(--)。

 

というのが当時の偽りのない心境。しかし今見てもこの「退職プログラム」かなりいい加減(苦笑)。「再就職が見つかっていない場合は会社都合」って・・・そもそも雇用保険の資格条件に関係なく会社都合だろうよ・・・(--)。

 

自己都合という名の会社都合

さて、ここでのキーワードは「会社都合」です。この対概念が「自己都合」ですね。

 

ご存知のようにこの2つの都合の間で退社後(失業後)の失業給付の条件や退職一時金(もしくはプラス割増金)の給付有無や額まで異なってきます。

 

で、今回のポイントは本当の意味での自己都合(=キャリアアップなどのための転職で自らの自由意志で会社を辞める等)は45歳を越えたあたりからさらに限定的になっていくということです(この45歳って線引きもかなり曖昧です)。ある人にとってはもっと早い段階(30代)でも上記のようなポジティブな自己都合での退職は出来ないこともあるでしょう。

 

そう自己都合の中にも会社を辞めざる得ない(転職先が決まっていないのに辞めたくなる)状況に追い込まれた末に退社する場合も多々あるってことですね。でも公には自己都合なので会社都合のような「優遇」が受けられません。

 

いうまでもなく「会社都合=あなたの都合ではない」のです。これをもっと限定的に恣意的に定義すると:

 

自己都合での退社=いつでも好きなタイミングで辞められる(逆を言えば辞めたくなければ今の会社で働き続けられる)。

 

会社都合での退社=あなたの嫌なタイミングで辞めさせられる(今の会社に残りたくても残ることが出来ない)。もしくは突然やって来る。

 

ということになります。

 

最悪なタイミングでの会社都合退職

さて私の10年以上前の「会社都合」のケースに戻ります。この時、突然の解雇だったものの私自身は落ち着いていたように思います。幾つか理由があったものの(性格がのんびりしている等)この解雇されるまでの1年間ほどは自分で社内起業的に事業を起こして社内外を巻き込んである意味趣味と実益を兼ねたような日々を過ごしていました。もちろん決して楽ではありませんでしたけど、苦労もまた楽しっ・・・てことだったでように思います。

 

この時私は突然の解雇に対して万全の準備をしてきていたわけではありません。第一、当時はちょうどその時住んでいたマンションを売却して新たに購入した土地に家を建てて引っ越すために住宅ローンを再度組む準備を進めていたのです。

 

しかも子供たちは小学生。これからたっぷりと教育費もかかるステージでもありました。

 

そう。お金の心配をする必要があるならまさに今この時でした。「お金の心配がない」どころか借金が積み重なって心配が無限大になろうかという状況だったのです。

 

でも私には根拠のない自信がありました。次の仕事が見つかりそれも今以上に給料もいいだろうという根拠のない自信でした。この時実はリーマンショックなるものも迫っていた最悪の時期でもあったのです。その時の私はそんなことも知らず・・・。

 

結果運よく半年ほどで前職よりいい条件で再就職できました。この「浪人」の間に考えたのはお金のこと・・・ではなく、自分自身で自分に何が期待できるのか?ってことだったようにも思います。

 

会社都合は自分の都合を考える最大のチャンス

自分で自分自身に期待できることもなければ他人も期待してくれない。そんな風に考えるようになりました。ただ漫然と考えていても失業状態(もしくは意に沿わない退職が迫っている状況)から次の仕事が見えてくることはありません。今思えば次のように自分自身を見直す機会でもあったと思います。

 

① 自分は何のプロなのか?

② 自分が夢中になれることは?

③ 自分が興味のあることは?

④ 自分が好きなことは?

⑤ よき助言者はいるのか?

 

①は会社に雇われる限りは自分が担当できる業務について誰にでも分かる部署なり職種に当てはめてその専門性を表現する必要があるってことです。営業担当なら「営業のプロ」と(自信がなくてもナンデモ)言い切ることが出来ないといけません(まあ実際の面接での言葉の選び方や伝え方はともかくも)。

 

②は毎日の仕事において自分が繰り返しやっても飽きない、時間も忘れてやってしまうことを極めて実務レベルで分かっているようにするってことです。私自身のことで言えば「企画書を書くこと」や「アイディアを考えて発表すること」なんかです。

 

③は自分の専門業務に掛け合わせるとさらに専門性が高まる(価値が高まる)蘊蓄を傾けることのできる分野は何かってことです。例えば「販売業務 x 車」とか「営業業務 x 教育」とかのように。私の場合なら「マーケティング業務 x 食品(もしくはお店)」です。

 

④は③と似ていますね。違うのは③は業務に直結する分野のことで、④は純粋に自分が好きなことです。極個人的なことでOKです。実はこれが仕事を助けることもあるからです。そして今の仕事以外の拠り所にもなるわけです。

 

最後に⑤。失業した私はこの点で恵まれていました。かっての上司、今の会社の同僚、転職エージェントのアドバイザー等々会社を離れた時こそこの「よき助言者」が私にっとっても最強の応援団でした。

 

この①~⑤が私にとって「お金の心配をすること」以上に大切なことです。この40代半ば近くで経験した解雇(会社都合での退社)が私にこれらのことを教えてくれたのです。

 

なんか抽象的な精神論になってしまったかもしれませんけど、どんな危機的状況でも自分の心持ちひとつで異なった風景が見えてくることだけは確かです。なので早期退職の年頃かどうかは会社の都合で決めざる得なくなっても、そもそも自分はどのように人生を設計したいのかは常に考えている必要がありますし、一歩を踏み出していく(会社を辞めるにしろ辞めないにしろ)勇気と行動力が必要なのですね。

 

その1歩を踏み出すためにもいきなり「自分が本当にやりたいことはなんだ?」との問いかけに答えられず悶々としているよりも①~⑤の全て揃わなくてもいいのでどれかひとつからでも考え始めることが大切だと思います。

 

とはいえ退職には色々な手続きごともありますので心構えだけで乗り切れるものではありません。この辺の退職への準備や手続きについてはまたあらためて。

 

では、次回もYou'll never walk alone!