あるきデス

50代からの毎日の歩き方from鎌倉。Rock your life! ジタバタしたっていいじゃないか!

50代からのペーパードライバー講習from鎌倉 (後編)

こんにちはユルネバT-800です。

 

さて前回の続き、私がペーパードライバーからちょっと足を出して公道に「再デビュー」を果たしたか(なんか偉そうでゴメンナサイ)を記しますね。

 

で、前回ご紹介した「準備したこと」や「役に立った知識」に行く前に、私が運転再開した条件にちょっとだけ触れておきます。

 

まず。車。これは軽自動車のワンボックスカーです。なので特に最初は車体感覚が掴みにくい運転席より前の部分はほぼ気にする必要のない形です(後ろも同じ)。

 

で、もちろんAT車(いわゆる「オートマ」ですね)。私が20代のときに乗っていたのはマニュアル車だったので変速機操作がなくこの点は楽です。また20年前とは比較にならないくらいハンドル操作も楽ですね。特にパワステという名称も聴かないくらいハンドルが簡単に回りますよね。

 

でで、走行した道は田舎道。都会道と比べ交通量も少なく、車線変更などもほとんどありません。まあ、山道入るとこれはこれで逆に都会道にはない難しさがありますけど、いきなり山道には入りません(慣れてからにしましょう)。

 

あと肝心の助手席には超ベテランドライバーの父がいました。孫のときにも「ドライビング講習」を行ったようで慣れたものです。この助手席に座った人の関与の仕方がスムーズにペーパードライバーから抜け出せるかどうかのポイントでもあるように思います。偉そうな言い方ですけど・・・。

 

とまあ、以上の条件下でのペーパードライバー克服の上で準備したことが以下です。

 

① 操作計器類は運転前に確認理解しておく。

② 助手席からはアドバイス(=補助情報)をもらうだけ。

③ 「だろう」はNG。確信を持てないならアクセルを踏まない。

④ 運転席から見える車と周囲の位置・距離関係の把握。

⑤ 視野はサッカーの副審の要領で。

 

①は当たり前ですけど、運転中に確認なんかし始めたら注意散漫になってアブナイですね。ライトとかワイパーの操作方法。またガソリンスタンドで給油する場合、給油口の開け方(どこに操作レバーがあるのか等)も確認です。

 

自動車は基本的にあなたが操作しない限り(つまり入力した通りにしか)動きません。でも唯一例外と言えるのはAT車クリープ現象です。アクセルを踏まなくても、ブレーキペダルから足を離すとギアがパーキング(P)やニュートラル(N)以外の場合車が動き始めるってやつですね。

 

実は昨年、駐車場で停止していた車の運転席に座りちょっと前に出してみようと思ったとき、このクリープ現象を理解しておらず、「エッ~」となってブレーキを慌てて踏んだということがありました。これホントは厳罰ものですね。

 

②はペーパードライバーと講師役の助手席に座っている人との関係で特に大切だと思います。つまり車を操作しているのはどんな運転技術のレベルの人であってもドライバーであって助手席の人ではないので、当たり前ですけどドライバー自身が見て確認したことで判断し車を操作しないとアブナイわけです。

 

なので助手席からのアドバイスだけでなく、例えば駐車するために後進している時に車の後ろにいる補助者の指示に全く頼りっきりは絶対NGです。これはドライバー自身に安全確認する責務があることはもちろん、人の指示どおり動かすだけでは一体どのようなハンドル・アクセル操作をすれば車が思った方向や角度や位置に動かすことができるようになるのか分からなくなるからです。

 

これも助手席の「講師」と事前にコミュニケーションをとって、安全確認作業や車の操作について自分が身に付けたいことをペーパードライバーの視点で伝えておくことが大切なように思います(=運転できる人にペーパードライバーが何を克服しようとしているのかを明確にする)。

 

③は「通れるだろう」「当たらないだろう」ではダメで不安なら車を止める、スピードダウンしましょうということです。とくに乗り始めてちょっと慣れたときがアブナイのでちょっとでも不安なら「だろう」は事故のもとなので人任せ、運任せにしないことが必須です。

 

④は「役に立った知識」でも触れます。もし協力者が手間暇を厭わない方なら車の外に立ってもらって運転席からどのように見えるか確認しておくことは車体感覚を掴む一歩としては有益なように思います。

 

方法としては車の前後左右の4隅に2メートル、1メートル、50cm離れて立ってもらってその位置関係を車体と身体の重なり具合で覚えるということです。また車体の後ろの場合にはサイドミラーにどのように映るかも確認しておきましょう。

 

さて⑤です。実は私はサッカーの審判員もやってます。とくに副審を担当することが多く、いわゆるオフサイドの見極め、ボールのアウト・インの見極めが任務となります。

 

この時、視点は1点に固定されているわけではなく、フィールドの奥から手前、また左右を堪えず見ている必要があるのです。かといってなんとなく全体をぼんやり見ていてはオフサイドやアウト・インの判断はできなくなります。常にカメラでいうフォーカス、ズームアウト、ズームインの繰り返しです。

 

これが幸いしたのか車の運転の時に役に立っているように勝手に思っています。例えば直角に交わる横道が多い時や道路沿いに人がいたり車が止まっているときに、突然飛びだしてくるものがないのか常に視点を動かしています。また目の前の車だけでなく、先々の車の列がどうなっているのか、信号は何色なのかも見る必要があります。この視野を奥にも手前にも左右にも広く持ちましょうというのが「サッカーの副審の要領で」という意味です。

 

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助手席に座っているときでも運転技術を学ぶことが出来ます。ベテランドライバーのアクセル、ブレーキ、ハンドル操作や判断などを参考にするわけです。

 

あと余談ですけど、②で触れた助手席の「講師」の人との関係は逆に主審と副審の関係に似ていると思います。つまりドライバーはサッカーの主審で助手席の講師は副審というわけです。助手席(副審)からアドバイス(判断材料や見えないものの情報)をもらうけど、最終判断(判定)はドライバー(主審)が責任をもって行うという関係です。

 

さて次に「特に役に立った知識」について。

 

1)狭い道路での他の車とのすれ違いのコツは「早め」と「左側」。

2)左側の車体感覚は「センターライン」で把握。

3)バックミラーに映る車体と進行方向。

4)合流は斜め向き。

5)ハンドル操作は自動車学校流から卒業。

 

1)は2車線なら気になりませんけど(駐車している車が自分が走っている車線の左側にあるとか自転車が左前を走っているとかなら気になりますね)狭い道を走る時にはペーパードライバーにとっては不安要素ですよね。

 

私もそうでしたけど、前から車が来るのが見えると接触しないですれ違うことが出来るのか?ということで自分の右側(右ハンドル車なら運転席側)が気になります。しかしまず見るべきは左側。自分の車を左側に出来るだけ寄せましょうとういうことです(歩道があれば塞がないように注意)。

 

つまり対向車とすれ違いが出来るかどうかは車の右側が接触するかどうかではなくて、車の左側(助手席側)にどの程度車を寄せることが出来るかで判断するということです。なので出来るだけ早めに車を左に寄せて対向車が余裕で通り抜けることが出来る位置取りをするのです。

 

走りながらすれ違うことが出来るのかどうか確信や自信がないなら、自分の車を左に寄せて止まるか徐行すればOKなのです。この判断が遅れて対向車との距離が近くなるほどハンドル操作も余裕をもって行えなくなるのでとにかくできるだけ早く判断し左へ寄せるを実行です。

 

もし左に寄せてもすれ違うことが出来なければどうするべきなのか?そもそもそれは道幅が二台分には足りないということを意味するので、どちらかがバックするしかないですよね。でもこのような状況でのバックはペーパードライバーとしては避けたい。

 

なのですれ違うことが出来るかどうか分からないのに車を前進させるより余裕をもってその手前のすれ違えそうなポイントで対向車をまっているのが正解。

 

2)は運転席側から見てダッシュボードの中心からの延長線上に左側のタイヤがある、ということです。これは一応の目安なので実際自分で運転席に座って確かめてみてください(走りながら公道で試すのはNG)。

 

このように車のある部分と外にあるものの重なり具合は車体感覚を掴むうえでの目安になるので繰り返し確認してみましょう。これは停車中の車で自分一人でもできます。例えばカラーコーンを色々な位置において運転席からどのように見えるか確認するなどの方法です。

 

3)はバックミラーに映った自分の車(車体の一部)の延長線上に自分の車は進むってことです。あくまでタイヤが車と平行になっていればですけど。これはバックさせるときに役に立つと思います。

 

4)はこれも私にとってはコロンブスの卵的な気付きでした。例えば側道から交通量の多い本道に合流しようとするときに自分の車が本道に直角になっているより曲がる方向に向かって斜めになっている方がスムースに合流できます。

 

そうですよね。直角の状態だと90度曲がる必要があるのでハンドル操作が難しくなります。場合によっては反対側の車線に膨らんで曲がってしまいあわててハンドルを切り過ぎたり、アクセルをあわてて踏み込んだりと・・・アブナイ。

 

本道と平行になっている自分の車を想像してみて下さい。車の前に本道に平行に前進する余裕もあれば、より少ないハンドル操作でかつスムースな加速を行いながら左へも右へも進めます(そう曲がるというより進むという感じです)。

 

まあ、どうしても直角になる場合もあるのでその時はまた別のコツがあるのですけど、それはまた。

 

で、最後に5)のハンドル操作。そうこれが長年の謎だったのです。どうもハンドルを回転させることがやりにくくてしっくりきてなかったのです、免許を取得した時から。

 

こちらのサイトで習いましたので私の下手な説明よりまずはご覧ください → 「クルマの運転の基本 ~ハンドルの回し方~

 

ここで紹介されている教習所で一般的に習う「クロスハンドル」に私は違和感があったのですね。幸いしたことが私は「クロスハンドル」に慣れていないので「送りハンドル(プッシュプルハンドル)」を抵抗なく受け入れることが出来ます。

 

以上の「特に役に立った知識」もお気づきのようにすべてのネット上で得た知識です。これが20年以上前とは大きく異なる点です。つまりペーパードライバーのための情報や動画が限りなくあります。大いに活用しようではありませんか!

 

というわけで、50代のペーパードライバー脱却修行はまだまだ始まったばかりですのでまた記事にしますね。

 

では、次回もYou'll never walk alone!

 

 

 

 

 

 

 

50代からのペーパードライバー講習from鎌倉 (前編)

こんにちはユルネバT-800です。

 

「あるきデス」と言いながら普段の移動の大半は自転車となっている私。実は自動車というものを一度も所有したことがありません。免許は学生の時に取得済みなのですけど。

 

なので当然の帰結としてペーパードライバーなわけです。それも20年以上運転していない筋金入りのペーパードライバーなわけです。

 

そんな私が久しぶりにこのプラチナウイークに3日間連続で車を運転しました。健在な両親も既に後期高齢者なわけで、そろそろ運転しないとな~思っていたわけです。

 

まあ、運転といっても田舎道なわけです。まずはペーパードライバー講習を受けてからと思っていたら父親曰く「あそこの農道は交通量もほとんどない」ってことで、そこで2分ほど?まっすぐ走って、これ繰り返すと思っていたらそのまま二車線道へ「再デビュー」。

 

こんなわけで段々と運転のへの恐怖心を克服していったのです。

 

うん?「運転への恐怖心」とはなんでしょか?それは運転して事故ってしまうとか、思い通りに車を動かせないってことでしょうか。つまり安全に安心して車を操れるかどうかということに対する不安とも言えますね。

 

まあ、当足り前ですけど、これらの恐怖や不安を払拭する最善策は「慣れる」しかないわけです。ただその慣れる過程に踏み出す一歩を踏み出せないのがペーパードライバーの悩みってわけですよね。

 

さてだからといって私のようなやり方で「再デビュー」するのはお勧めではないはず。やはりペーパードライバー講習を受けた方がいいと思います。

 

それでも家族などのサポート(助手席からの助言)を得ながら運転を再開したいなら、基本的な準備、つまり知識や心構えが必要だと思います。

 

以下が私の場合の準備です。

 

① 操作計器類は運転前に確認理解しておく。

② 助手席からはアドバイス(=補助情報)をもらうだけ。

③ 「だろう」はNG。確信を持てないならアクセルを踏まない。

④ 運転席から見える車と周囲の位置・距離関係の把握。

⑤ 視野はサッカーの副審の要領で。

 

その中で特に役に立った知識をあげると:

 

1)狭い道路での他の車とのすれ違いのコツは「早め」と「左側」。

2)左側の車体感覚は「センターライン」で把握。

3)バックミラーに映る車体と進行方向。

4)合流は斜め向き。

5)ハンドル操作は自動車学校流から卒業。

 

でしょうか。

 

 

というわけで、偉そうにペーパードライバーの私がペーパードライバー講習もどきを行うの巻であります(後編に続く)。

 

では、次回もYou'll never walk alone!

 

 

 

アブナイ、ボケる、歩き。四国の秘境へfrom鎌倉。

こんにちはユルネバT-800です。

 

昨年、新文芸坐で特集された「2018年の森田芳光森田芳光全作品上映&史上初!ライムスター宇多丸語り下ろし」。全作品制覇は出来ませんでしたけど、観たかったあの作品この作品を堪能させて頂きました。

 

そんな特集の最終上映作品、つまりは森田監督の遺作が「僕達急行 A列車で行こう」。森田監督が存命なら制作されたであろう2作目は四国編になる予定だったとか。そうしたら鉄道マニアならずとも楽しめる土讃線もたっぷりと紹介されたいたはず。

 

この香川県(讃岐)と高知県(土佐)を繋ぐ土讃線には見どころ、名勝が盛りだくさんなのですけど、その中でも絶景が大歩危小歩危峡。

 

大歩危(おおぼけ)小歩危(こぼけ)と読みます。

 

四国三郎と呼ばれる吉野川の渓谷なんですね。

 

この奇石と激流と鉄道が織りなす四国山地の絶景に行ってきました、プラチナウイーク前半。

 

これはもう語るより一見。写真をご覧ください。ちょうど渓谷に泳ぐ鯉のぼりを観ることが出来ました。

 

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気持ちよさそうに泳いでます。

 

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大歩危までは国道32号線が唯一のルートです。

国道32号標識

 

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遊覧船もあります。この日は長蛇の列。



 

まさに四国のまんなかにある必見景勝地です。

 

さて、その大歩危峡に行くには車がお勧めですけど、土讃線大歩危駅から歩いていくことも出来ます(でも車にはご注意を)。

 

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大歩危駅。「僕達急行 A列車で行こう」に登場して欲しかった!

その大歩危駅を降りてすぐの場所にあるのがローカル・エンターテインメント・スーパーマーケットこと「歩危(ぼけ)マート」。1号店と2号店が道路を挟んで向かい合わせにあります。

 

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大歩危駅から見える歩危マート。駐車場も完備。

 

ここの名物が巨大な油揚げである「ぼけあげ」。火で炙って生姜醤油で食べるとお酒が進むことでしょう。

 

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この巨大な油揚げの完食には3日かかる?

 

で、ほんとうの名物はこのお店を運営している会社の「ぼけ取締役」のオバさん。どこまでもエネルギッシュで暖かい方。ビジネスウーマンとしても、やり手(アイディア溢れる方)ですね。

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「ぼけ取締役」という肩書ですけど、アイディア盛りだくさんの冴え渡る経営者です。都会から訪れたら必ずや喧騒を忘れて優しい心になれる温かなおもてなしで迎えてくれることでしょう。

 

ここも必ず訪れたいスポットです。

 

この大歩危峡のある徳島県三好市はその他、穴場が盛りだくさんであります。それはまたの機会に。

 

では、次回もYou'll never walk alone!

 

 

 

 

 

気が付けば「負のスパイラル」を歩む。悩み多き50代にとって一番必要な力とは?(後編)

こんにちはユルネバT-800です。

 

「自己肯定感」とは?

さて前回の記事で触れた50代になって(もしくは近づいて)自己肯定感が低くなるとはどのようなことでしょか?

 

それを考えるためにもまずは「自己肯定感」という言葉についてちょっと説明してみます。

 

「自己肯定感」とは自身を加点方式で捉え、減点方式で見ないということです。つまりは:

 

加点方式=長所や「成功」体験にフォーカスするポジティブシンキング。「自分のここがいい。」「私はあれも出来る。」「自分は人の役に立っている。」「私ならもっと出来る。」

 

減点方式=短所や「失敗」経験にフォーカスするネガティブシンキング。「自分のここがわるい。」「私はこんなことも出来ない」「自分は誰の役にも立っていない。」「私って何も出来ない。」

 

という二つのうちの前者の枠組みの中で自己評価がプラスになって得点がドンドン増えていく思考プロセスです。一方後者は引き算の自己評価で過去の自分の言動を後悔し、このスパイラルに入るとやがて得点がマイナスになっていくことです。

 

50代ってやはりどうしても自分の今までの歩みを振り返ってしまうのですね。そうして「何にも誇れるものがないな」とか「もうこれ以上は上がれないな」とか思ってしまうのですね。

 

不安と諦めの境地。もちろんそんな暗いことばかりの50代ではないでしょう。余裕を持って色々なことを楽しめる年代でもあります。

 

でも、こと仕事関係になると(で、生活の大半がその仕事に支配されている)敗北感と無力感に襲われたりしますよね。

 

50代にとって必要な力はこれ!

そんな50代にとって一番必要な力とはなんでしょうか?

 

色々なご意見あるでしょうけど、私は「自立する力」だと思っています。

 

もはや経済的に自立して何十年というのが50代だとは思うのですけど、ここでいう自立とは「他者に依存した評価や判断から離れて自分で自分の人生を選択していく」ことです。

 

例えば、会社の中では上司や周りに判断を委ね、選んでもらっていたなんてことはなかったでしょか?毎年、評価や査定の時期になると憂鬱になったりビクビクしていたなんてことはなかったでしょうか?

 

会社というシステムの中にいると個々人で程度は異なっていても多かれ少なかれ上記のような経験が誰にでもあるように思えます。簡単なようでいて、誰にも頼らず自分で選択するというのは難しいものなのです。

 

冒頭で触れた自己肯定感の高低もこの「自立している力」の高低と相関しているように思います。

 

つまり自己を肯定する基準が:

 

1.学歴

2.肩書

3.収入

 

という他者にとっても分かりやすい上記3点だったものが怪しくなってきたわけです。つまり1)はどこまでも不変ですけど、それが自分にもたらしてくれる利益はどうも不変ではないことに気付き、2)や3)が突然崩れ始める・・・ということなわけです。

 

なので:

 

自己肯定感を高める=自立する力を高める≒自分の中に自分なりの基準を持つ

 

ということになるのではと思うわけです。

 

50代になって「自分の基準を持て!」と言われても遅すぎるように思いますし、「そんなものとっくに持っているよ」と仰られる方も多いと思います。

 

既に持ってらっしゃるならOK。そして持ってないなら(曖昧なら)まさに今が50代が最大のチャンスなのです。なぜなら50代になって自己肯定感が低くなるというのは、それだけあなたが自分と正対して向き合っている証だからです。自分から逃げず自分を見つめなければ「自分の中に自分なりの基準を持つ」なんてことはできません。

 

では、「基準」というのはなんの基準でしょうか?

 

誰も自分からは逃れられない

それはやはり上記の「自分の人生を選択していく」ための基準なわけですけど、そんな大げさなものでなくとも例えば服装を選ぶ、食べるものを選ぶ、お出かけ先を選ぶ時に自分の基準を持つ、というようなことでもいいと思います。

 

でも究極的には「自分なりの幸せの基準を持つ」ということになるでしょうか。どのような「人生の選択」が自分にとって幸せなのか?と言えば大袈裟ですけど、どのような状態なら自分は幸せなのか?ということです。ここで一番大切なことは他者がどう思うか感じるかを一切考慮に入れないとうことです。

 

というわけで50代にとって一番必要な力は「他者の評価や判断から自由になる力」とも言い換えられますね。

 

もちろん、これだけで下がった自己肯定感が一気に高くなることはありません。でも、まずは他者から自由になりましょう。で、実はその「他者」を作り出しているのも自分だと気づくはずです。

 

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I'm sick and I'm tired♪of reasoning♪Just want to break out♪Shake off this skin♪ I ♬I can't escape myself♪ THE SOUND「I CAN'T ESCAPE MYSELF」より

最後に偉人の言葉を載せておきます。

 

われわれがわれわれ自身を知ることにどんなに関心を持っていようとも、

われわれは一切のわれわれでないもののほうをよりよく知っている

のではなかろうかと思う。もっぱらわれわれの自己保存のために定められた器官を

自然から授けられているわれわれは、それらの器官を、外部の印象を受け入れるために

しか使わない。つまりわれわれは自己を外に拡げ、自分の外に生存することをしかもと

めない。われわれの感官の機能を増加し、われわれの存在の外的拡がりを増大すること

にあまりにいそがしくて、われわれは自分をそのほんとうの大きさにひき戻し、自己を


自己に属さないすべてのものから区別するところのあの内部感覚をめったに用いない。

 

ジョルジュ=ルイ・ルクレール・ド・ビュフォン 1749年「一般と個別の自然誌 第二巻 人間の本性について」より

 

では、次回もYou'll never walk alone!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

気が付けば「負のスパイラル」を歩む。悩み多き50代にとって一番必要な力とは?(前編)

こんにちはユルネバT-800です。

 

早稲田卒VS東大卒

さてここ1週間で二人の40代の知人とじっくりとお話しする機会がありました。

お一人は40代前半。もうお一人は40代後半の方です。

 

お二人とも腹をわって色々な悩みをお話出来る仲で、特に私と同じ業種(外資系企業のマーケティング担当)ということで仕事の悩みをお互い語り合うことが多いのです。

 

まあ、共通なのは仕事の担当分野だけで、お二人とも学歴もスキルも私とは比べ物にはならないくらいキラキラしています。

 

40代前半の方は私立の最難関大学のご出身。今や某グローバルメーカーで15人以上の部下をマネジメントされながら、日々ハードワークされています。

 

一方で40代後半の方は国立の最難関大学ご出身。でその後1番人気の総合商社に入社。これまた最難関私大の大学院でMBA取得。外国にも留学されています。

 

浪人して私大文系、MBAどころか何の資格も持たない私はお二人の学歴・経歴の前では気後れしてしまいますね。

 

でもそんな二人が私に悩みを打ち明けてくれたりアドバイスが欲しいなどと言ってくれるのですから嬉しいものです。まあ、何の役にもたたない、お二人より早く生まれただけの私ですけど一応反面教師、「しくじりセンセイ」として相談にのっているってノリです。

 

さてさて面白いのが二人の違いです。

 

自己肯定感の違う二人

40代前半の方はいわゆる自己肯定感が高いです。で、自己評価 > 会社評価になっているようにも思います。またヘッドハンターから今現在いくつかの転職案件をもらっていて今の会社でさらに上を目指すべきなのか?新たなチャレンジに挑むべきか?で悩んでいるって状況です。

 

で、40代後半の方は自己肯定感がかなり低くなっています。自己評価↓会社評価↓って図式のように思います。また納得いく転職案件もなかなか見つからないというような状況です。最高峰国立大学卒業+最難関私立大学院MBAホルダー+北米最高峰大学のひとつに留学+1番人気の総合商社出身、という経歴の方でもこんな状況に陥るのです。

 

この違いはお二人の性格や資質の違いから生まれているとも言えます。今の職場環境や業務とのマッチングの具合から生まれた違いのようにも思います。

 

もうひとつお二人の自己肯定感の違いを生み出す要因としては50代への距離の違いもあるように思うのです。

 

40代前半の方はまだまだ自分自身にも周囲にも今後のポテンシャルを期待させることが出来ます。一方で40代後半は自分自身も周囲もポテンシャルより過去にどのような実績や行動があったのかで会社の中での評価を行うようになってきます。もちろん過去の実績などは30代でも転職のときに重要視されるのですけど、40代後半になると将来のポテンシャルは過去の実績で推して知るべしとの比重が極めて高くなると思います。

 

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過去 → 現在 → 未来 は一本のレールのように続いている。50代という名の列車は何処に向かっているのか? Where am I heading to?

 

伸びしろは若さの特権、ですね。

 

まあ、それは40代後半から始まるものではなく、40代前半の自己肯定感が高い人でさえも自身の感性や閃きや判断力の低下を感じているとのこと。そう、40代はすでに50代と地続き。「現状維持=下降線を辿る」の始まりなのです。

 

50代は人生の「死の谷 

人生の最も深い谷間といわれる50代。やはり悩みのベスト3をあげると以下になるのではないでしょうか?

 

1.お金

2.健康

3.人間関係

 

いきなりクビきりなんてことになったら?給料を減らされたら?老後資金が足りなかったら?子供の大学費用は?などなどお金の悩みは尽きませんよね。

 

健康の悩みは増えども減りはしない。もう体力も落ちていく一方です。しかも自分の健康だけじゃない。年老いた親の健康ものしかかってくる。

 

人間関係は、会社でのことはもちろん、家族のこともあります。

 

もうこの3つだけで逃げ出したくなる、放り出したくなり理由としては十分です。たいていの人はこの3つの悩みの内のどれか、というより全てについて強弱はあれど悩みを持っているのではないでしょか?

 

そんな前にも後ろにも進めないどん詰まりの50代で一番大切な力ってなんでしょうか?

 

それは先ほどの40代の方々へのアドバイスにも成りえますし、私自身が自分の励ましにもしている力です。

 

「負のスパイラル」に陥った(と思っている)50代にとって(もしくは地続きの40代にとって)一番必要な力について後半で書いてみたいと思います。

 

では、次回もYou'll never walk alone.

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

鎌倉から通う「シネマワールド」。欲望渦巻く渋谷ホテル街へ。

こんにちはユルネバT-800です。

 

私は映画が三度の飯より好きな輩です。

 

なのに、鎌倉にある(あった)二つの映画の聖地に行ってない(行かなかった)不埒者です。

 

ひとつは「鎌倉市川喜多映画記念館」。いつも前を通るだけの存在です。反省。

 

もうひとつは今は存在しない、「鎌倉シネマワールド」。僅か3年でその歴史を閉じた今や幻のシネマ・エンターテインメント施設です。もしかしたらUSJみたいに大化けしていたかも・・・なんて。

 

この「鎌倉シネマワールド」は松竹撮影所の敷地内にありました。今は鎌倉女子大のキャンパスとなっていますね。

 

そう大船と言えば松竹。私の大好きな小津安二郎も小津調とその映画のトーン&マナーを評されますけど、それは大船調とも同義でした(まあ、それは表面的なことで「さりげなさ」とは程遠い、かなり「異常な」画作りに固執したのが小津の唯一無二の個性です。「さりげなさ」で凄いのは成瀬巳喜男の方。それはまたあらためて)。

 

とまあ、なぜ「映画獣」のクセして行かなかったのかと言えば、東京に住めば東京タワーに上らない、パリに住めばエッフェル塔には・・・のような「いつでもいけるや」的な思いもありました(まあ、正直メインアトラクションが「寅さん」では子供つれて家族で行こう!っていうモチベーションは低くならざる得ない・・・松竹のマーケティングの失敗というところでしょうか・・・)。

 

さて、本日はそんな私が鎌倉より足繁く通う「シネマワールド」を紹介するシリーズの第一弾。渋谷編はあのホテル街として有名な円山町にある「シネマヴェーラ渋谷」が本日の主役。

 

まず鎌倉方面から渋谷へ向かいます。直通であるJR湘南新宿ラインの一択。これで渋谷まで来れば乗り換えなしで便利・・・なのですけど難点はご存知のようにJR渋谷駅の山手線ホーム(改札)とこの湘南新宿ラインのホームは、JR東京駅の東海道線ホームと京葉線ホームと同じようにスゴ~く離れています。

 

なので手前の恵比寿駅で山手線へ乗り換えるのがスマートチョイス。

 

ここから「横浜のあの「人」に会いたい!大人のアンパンマンの巻。」の時と同じく人混みが大の苦手の私が辿っている「裏ルート」をご紹介。まあ、それでもそこは天下の渋谷なので完全に人混みを避けられるわけではございません。

 

まず山手線に乗る時はなるべく後方車両に乗りましょう(品川・恵比寿寄り)。で、渋谷駅で降りたら、メチャ混んでいるハチ公口ではなく後方の(恵比寿寄りの)南改札への階段を下りて下さい。

 

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渋谷駅南改札へ。

 


 

ホームからの階段を下りてきたらUターンする形で改札に向かい出たら左側(西口)に進みます。

 

外に出ると正面に東急バスの西口バスターミナル。それを右に進みます。そして左手にバスターミナルを見ながら進むと待ち合わせの人でごった返す、「モヤイ像」が見えてきます。

 

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南改札出たら西口へ・・・ハチ公口ほどでないにせよ、まあ混んでいますね。渋谷ですから。

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渋谷だぁ!おじさんは街を見ただけで夜なのに日焼け気味。西口バスターミナルなのでまだ渋谷「紫外線」は弱いですけど。

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モヤイ像が微かに顔を覗かしている・・・。



 

その「モヤイ像」を通り過ぎると頭上に井の頭線の陸橋が見えてきますので、どんどん近づいて陸橋の真下まで行くと左手に「Shibuya Mark City」に向かって道路を渡っている横断歩道があります。

 

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2019年なのに今だ列車は空を飛ばずに鉄橋を走っている。

 

横断歩道を渡ると「Shibuya Mark City」のEast Mall入口の前に来るので、そのまま右に曲がります。右手に宝くじ売り場とか新聞雑誌の売店を見ながら行くと、半蔵門線なんかにアプローチできる渋谷駅地下への入り口が見えます。

 

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割とすぐ赤になる信号機なので,速足で渡りましょう。

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いざ地下世界へ!

 

 

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これが目印です。

その入口の階段を下りて行って、左に曲がりまた右に曲がると、そこは「渋谷ちかみち」。「ちかみち」を左に曲がり道玄坂方面に進みます。

 

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「ちかみち」出現!

 

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足元にも「道標」がいっぱい!

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迷った時はこちらをご覧あれ。



 

 

そこを真っすぐ行くと間もなく、道玄坂へと抜ける出口1、2と文化村方面(東急百貨店本店オーチャードホール方面)出口3に分岐しています。本来出口3の方がアプローチはいいように思いますけど、ここは左側の出口1に向かって進みます。

 

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間もなく地下世界ともお別れ。

 

出口1の階段を上りきるとそこは道玄坂。右に曲がって坂を上ります。で人混みに耐えながら(結局人混みかい!)歩いていくと、やがて右側に「しぶや百軒店」の門(中華街の入り口に似ているような)が見えます。

 

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道玄坂!ハチ公前とスクランブル交差点を歩かなかっただけで、オジサンの疲労度とストレス係数は低いのだ。

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ここからはR18限定、なわけありません・・・。


 

ここからは怪しい夜の街。門をくぐって進むと「無料案内所」が正面にあるので、そこを左へ行きます。そして今度は最初の角を右へ。両側に飲食店がありますので、そこを真っすぐ進み突き当りを左へ。

 

TSUTAYA O-EAST」が見えますのでそのまま道なりに進むと円山町のメイン通りに出ます(道玄坂 ⇔ 文化村 の抜け道です)。で、右へ曲がってそのメイン通りを下っていくとやがて左側にコンクリート打ちっぱなしのようなビルが見えてそこの4Fが我が「シネマワールド」のひとつ「シネマヴェーラ渋谷」です!

 

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ここが円山町メインストリート。この先に「シネマワールド」があります。

 

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「人生下り坂サイコー!」で、トウチャコ。

1Fがトークライブハウス「LOFT9 Shibuya」、2Fが「ユーロライブ」3Fが「ユーロスペース」とここは文化ビルですけど、「映画獣」の私は迷わず何時も4F直行です。

 

ここも他の名画座とたがわず、いやそれ以上に映画の屍に群がる獣の匂いがプンプンしています。それがよい。

 

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全部観たいのは山々ですけど・・・。

 

 

ただこちらのオーナーとしては若い人に邦画を中心とした映画の魅力を伝えたいとの思いでオープンしたので、我々シニアはここでも「若手育成」のために分をわきまえる必要があります(- -)

 

ぜひ、若手の皆さま渋谷の「シネマワールド」へ足をお運びください!

 

では、次回もYou'll never walk alone!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

すべての道は北鎌倉へ通ず。散歩道の穴場は大船から行け!(後編)

こんにちはユルネバT-800です。

 

恐れを知らぬ愚か者

さて、いよいよ粟船山を登ります。

 

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ここは丹沢かぁ?

 

あの丘は険しすぎて登れない、と君は言う

ぼくが登るところを見てみたい、と君は言う

場所を決めてくれたらぼくが時間を選ぼう

そしてぼくなりにあの丘に登ってみせよう

良い日が来るまでしばらく待ってくれ

そして頂上をきわめたとき

ぼくは下界を見下ろして、

君が今日言った事に耳を澄ますよ

 

ピンク・フロイド「フィアレス」より

 

草燃える」再び

さて裏山の道を登っていくと「あれ行き止まり?」って思ってしまう場所に着きます。そこには「姫宮の墓」と「粟船稲荷」があります。この配置は・・・?

 

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この先に・・・

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案内板があり「姫宮」の文字が見えます。



 

姫宮の方は頼朝と政子の長女である大姫(おおひめ)のお墓とも言われているようです。頼朝によって滅ばされた木曽義仲の嫡子、清水義高を幼いころから将来の夫と信じていた大姫です。

 

義高もまた、将来頼朝にとっては危険な存在となる可能性があるので(頼朝は父の仇)頼朝の命で誅殺されてしまいます。その報を聞いて嘆きのあまり食を断った大姫。

 

彼女はメンタルも病んで、父母を恨んでその短い生涯を終えたのです。はたしてあの世で義高と夫婦に成れたのか・・・?ストーリーが広がっていきます。

 

で、行き止まりかと思い引き返そうとすると、あら、道が続いてますね。さらに登ります。

 

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なかなか急な斜面です。


 

登りきるとそこには清水(木曽)義高のお墓もあったのですね。その時は気付きませんでした。

 

まあ、はたしてこれらが本当に義高が眠っているお墓かどうかはともかく、そうやって時空を飛び越えて過去の世と繋がり、そのストーリーを後世に語り継ぐきっかけになるのがお墓であると思います。

 

破壊されズタズタに引き裂かれた道を這いずり行く時

私の墓石には混乱という墓碑が刻まれるだろう

何とかうまく切りぬけられたら

私たちは一息ついて座り込み

再び笑いを取り戻すことができる

だけど明日私は泣きぬれているはず

そう、明日私はきっと涙を流す

 

キング・クリムゾン「エピタフ」より

 

コンフュジョン~♪ウィルビ、マイエピタフ~♪

 

 粟船山という惑星

さて裏山の道を登りきるとそこは山の頂上・・・なのですけど高台の住宅地があります。お寺の外からは分からなかった常楽寺と粟船山の空間配置が今分かりました。

 

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右側、眼下に常楽寺の姿が木々の間から見えます。

で、しばらく右手に眼下の常楽寺を見ながら道に沿って歩くと、墓地があります。ここも常楽寺のお墓ってことでしょうか。つまりお墓の近くに住宅が出来たってこと?

 

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ロケーションも秀逸な墓地。

この墓地にはちょうど桜の木が花を咲かせていて青空に映えて美しい光景となっておりました。

 

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桜を見ながらの春のお墓参り。心癒されます。



 

で、道なりにj細いj路地を進むと、「あっ~ここだったのか!」と思わせる車道が現れます。神奈川県道21号横浜鎌倉線です。

 

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これも鎌倉街道

 

粟船山から来て左側へ行くと大船警察署へ、右側へ行くと常楽寺交差点があります。とりあえず左側に向かって下る道しかないので、そのまま常楽寺交差点と反対の方向へいったん向かいます。目印として左手に鎌倉大船キリスト教会があります。

 

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ここを下ります。

 

さて県道にまで降りてきたら、ちょうどUターンする形で、今度はキリスト教会を右手に歩道を常楽寺交差点に向かって下っていきます。

 

粟船山交差点 → 六国見山登り口

お気づきかと思いますけど、ここまで歩道や路地や山道を歩いてきているので車の往来に悩まされることはありません。唯一、常楽寺交差点を左に曲がって県道を横切るときに車に注意って感じでしょうか。

 

その常楽寺交差点を渡って反対側の道を真っすぐいくとすぐに懐かしい円柱形の赤い郵便ポストが見えその向こう右手に魚屋さんが見えます。こちら「魚由」さんも何十年も営業されている活きのいいお魚が買える真面目な鮮魚店です。

 

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赤いポストがアクセント。

 

その「魚由」を後にしてしばらくいくとT字路があります。ここを右へ曲がります。

 

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この先のT字路を右に曲がります。

 

実はこの時はこのまま、道なりに真っすぐ進み鎌倉市立小坂小学校の前を通り過ぎて・・・ってコースへ行く予定だったのですけど、急に今だ未踏の六国見山への登り口を確かめたくなり、ちょうど登山口を示す白地に黒文字で書かれた道標を左折しました(住宅の白地の塀と同化しているので見逃さないように)。

 

そこから道なりに進んで右へ左へと曲がりながら歩いていきます。やがて上りの坂道になり鎌倉特有の苔と羊歯類が美しい山肌が右手に見えます。

 

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いい雰囲気になってきました。

 

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苔&羊歯の美しいハーモニー


 

道なりに右に曲がりながら歩いていくと再び白地に黒文字で書かれた道標があります。左に向かっても右に向かっても経由地が異なるだけで六国見山には辿り着けるようです。で、ここは右へ向かいます。ここで右に向かったのはこちらが北鎌倉駅の位置する方向だからです。

 

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ここは迷わず右へ真っすぐ。

 

計算された人生なんて意味がない!

で、その右の道を進んでいくと、やがて行き止まりのように見える民家が見えます。ここでもまた2択を迫られます。

 

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運命の分かれ道?かぁ。

 

 

どうもその先があるのは左の道らしく、公園に続く道のようです。で、右は道が細くなりその先へ進めるのかどうかは不明。どちらに進むべきか・・・?

 

最初は、無難に先の予想できる左の道を進もうとしました。その時・・・思い出したのが「芸術は爆発だぁ!」の岡本太郎センセイのお言葉。

 

みんなどうしても、安全な道の方を採りたがるものだけれど、それがだめなんだ。人間、自分を大切にして、安全を望むんだったら、何も出来なくなってしまう。計算づくでない人生を体験することだ。

岡本太郎著「自分の中に毒を持て―あなたは“常識人間”を捨てられるか」より

 

そうかぁ!では右に進もう!(大袈裟だなぁ~)

 

そして民家の敷地に不法侵入して通報されてしまうのではというリスクに怯えながら進むと・・・おお!ここは切通じゃあ~りませんか。

 

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うん?道が続いている!

 

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こ、これはぁ~。き、切通しかぁあああ。

 

切通しのマトリョーシカ構造

あとで調べて分かりましたけどここは「長窪の切通し」と言うそうです。

 

両側の岩肌もイイですねえ。両側の苔の緑のラインと道の落ち葉のコントラストもいいですね。

 

この日は快晴で日差しも強かったのですけど、切通しにはひんやりした空気が流れ、鍾乳洞や土蔵の中に入ったような気分です。

 

道の前後をジェイソンとブギーマンに挟み撃ちにされたらジ・エンドです(ナンノコッチャ)。もしくは両側の崖の上から、まるでハリウッドの西部劇やインディー・ジョーンズ・シリーズや「マッドマックス 怒りのデス・ロード」のように敵に攻められたらひとたまりもありません(と、妄想を膨らむ切通し体験でございます)。

 

 

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羊歯のお飾りがお出迎え~。

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まるでXウィングを操縦してデススターのトレンチ(溝)の中を飛んでいる気分です!

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振り返っても切通し!(当たり前)





 

この切通しがはたして鎌倉時代に作られたものかどうかは分かりません。ただ。これこそまさに「異界へ通じる」鎌倉らしい空間だと思います。

 

で、その切通しを抜けると、異界ではなくまたまた住宅地に出てきました。これも鎌倉にはよくある空間配置なのです。異界は切通しを抜けた先にあるのではなく、この切り通し自体に存在するのです。

 

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異界 → 日常へ

切通しを抜けて右に曲がって歩いていくとすぐに右手に舗装されていない駐車場があり、その駐車場越しに大船駅方面の街並みが見え、その真ん中には大船観音さまの姿も見えます。おお、ずいぶん高台に上がってきているのですね。

 

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大船観音さまが見える!

その駐車場を右手に見ながら過ぎると広めの道を横切ります。この道は県道21号線の「大船高校入口」から延びてきている道路です。

 

その道を横切り住宅街の最初の角を左へ曲がりそのまま道沿いに右へ曲がると突き当りに階段が見えます(階段の右横はゴミ置き場となっています)。

 

その階段を上ると、直角に交わる階段に突き当たりますのでそれを右方向へ下っていきます。あとは階段→坂道を道なりにどんどん下っていくとやがて北鎌倉駅の大船寄りの遮断機のある踏切が見えてきます。あとは横須賀線沿いに左へ進むと北鎌倉駅にトウチャコ。

 

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Peolple come up stairs ♪ People come down stairs♪ YMO「Stairs 階段」より

 

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人生下り坂、サイコー!

 

こうやって歩いてきて分かるのが、北鎌倉の地形と空間こそがひとつの大きな切通しになているということです。つまり横須賀線の線路と両側の山の組み合わが、まさに切通しのそれ。

 

つまりは大きな切通しの中に幾つかの切通しがある、という構成なのです。

 

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最大の切通し?横須賀線 北鎌倉駅周辺

 

チャンス・オペレーション・イン鎌倉

さて、ここまで書いておいてなんですけど、今回歩いたルート自体は色々なところでも紹介されているので、目新しくないでしょう。ただ自分にとっては常楽寺の裏山道も長窪の切通も偶然出会ったからこそ、散歩の悦びも倍増したように思います。

 

そういえば、スマホのアプリに導かれるまま歩くってことを実験的にやっているアメリカ?の人が以前TVで紹介されていたな。そうまるでジョン・ケージがコインを投げて譜面を作り、作曲したように散歩する。こんど試してみますか。

 

偶然の出会いを受け止めながら発見の喜びを感じる、まさにI feel the power of a walk!な一日でした。

 

この後また思いつくままに歩いたのですけど、そのルートはまたあらためて。

 

では、次回もYou'll never walk alone!